投資と言えば、株を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
テレビのニュース番組でも毎日必ずと言っていいほど、日経平均株価の終値がいくらということを伝えます。
この記事では、これから投資を始めようと思っている人や、迷っている人向けに株式についてわかりやすく解説します。
投資は危険で難しいものだと思っている人も多いと思いますが、必ずしもそうではありません。
ゼロには出来ませんが、リスクを軽減することは可能です。
この記事を最後まで読んでもらうと、株式や株式投資の基本、メリット・デメリットがわかるようになります。
特にこれから投資を始める人に必ず守ってほしいポイントをお伝えします。
投資は自己責任で行うものですが、預金に預けていてもほとんど増えない今こそ投資を始めることをお勧めします。
この記事で、できる限りリスクを軽減できる投資方法を理解して下さい。
- 株式とは何か?
- 株式投資とは何か?
- 株式投資の始め方
- ネット証券のメリット・デメリット
- 人気のネット証券
- 株式投資のメリット・デメリット
株式とは何か?
株式とは企業が出資を受ける時に発行する証券
株式とは、企業が投資家から出資を受ける時に発行する証券のことです。
企業が事業活動を行う時に、多額の資金が必要な場合があります。
資金を調達するする方法には、銀行から借入をしたり社債を発行したりといくつか方法がありますが、そのうちのひとつが株式を発行する方法です。
株式会社の場合は株式を発行し、投資家に購入してもらうことによって資金を調達します。
その代わりに、出資した投資家は株主としての権利を得ることになります。
株式を発行して資金調達するのは主に上場企業
株式を発行して資金調達する企業は主に上場企業です。
上場企業とは、株式市場で株式の売買が行われる企業のことです。
株式市場で売買を行うには証券取引所に上場する必要があります。
日本には東京・名古屋・札幌・福岡の4箇所にありますが、その中でも東京証券取引所が最大の取引所です。
企業は、証券取引所に上場することによって様々なメリット・デメリットがありますが、その中のひとつに一般投資家に株式を買ってもらうことで資金調達がしやすくなるというメリットがあります。
株主としての3つの権利
株式を購入すると株主と呼ばれ、次の3つの権利を手に入れることができます。
議決権
株主総会に出席して発言をしたり、重要な議案に投票をすることができる権利のことを議決権と言います。
投資家は株式を購入して企業に出資をすることによって株主となります。
そして出資金額に応じた株数を保有することによって、保有株式数に応じた議決権を手に入れることができるのです。
つまり、出資することと引き換えに経営に参加する権利を手に入れるという訳です。
株主は毎年開催される株主総会に参加して発言をしたり議案に投票することができるのですが、現在はオンラインによる議決権の行使も一般的になってきています。
保有株式数が多ければ多いほど企業に対する影響力は大きくなります。
剰余金配当請求権
企業の株主に対する利益の分配である配当金を受け取る権利のことを剰余金配当請求権と言います。
企業は出資をしてくれている株主に対して、利益の一部を配当金として分配します。
ちなみに、配当金の金額は株主総会の決議によって決まりますが、利益が出なかったり業績が芳しくない場合には株主総会での決議によって配当金を出さない場合もあります。
株式投資をするにあたって配当金を重要視する場合は、その企業の過去の業績や配当実績を調べた上で出資することが重要です。
その配当実績を調べる指標のひとつに配当性向があります。
配当性向は当期純利益に占める年間の配当金の割合ですが、配当性向が高い企業は株主に配当金を通じて利益を還元していることになります。
利益を配当金ではなく設備投資に回すことで企業価値を高め、株価が上昇することで株主に還元する方法をとる企業もあります
残余財産分配請求権
企業が解散した時に、残った財産の分配を受けることができる権利を残余財産分配請求権と言います。
株主は、出資先企業が解散するにあたって、清算手続き完了後にまだ財産(資産)が残っている場合は持株数に応じてその財産の分配を請求することができる権利持っています。
逆に、借金(負債)が残ったとしても、株主は有限責任なので出資金額以上に追加で負担を要求されることはありません。
つまり、出資先企業が解散した場合には最悪でも出資金を全額諦めればそれ以上損をすることはないのです
株式投資とは何か?
株式投資とは、上場株式を市場で売買したり、購入した株式を保有することによって資産を増やす投資のことです。
株式投資で得る収益には、主にキャピタルゲインとインカムゲインの2種類があります。
キャピタルゲインとは株式の売買差益のこと
上場株式は、証券取引所で日々売買が行われ、常に価格が変動しています。
その価格の変動を利用して、価格が低い時に購入して高くなったら売却をすることにで購入価格と売却価格の差額が儲けとなります。
この儲けをキャピタルゲインと言います。
株式投資と言えば、まずこのキャピタルゲインを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
キャピタルゲインを得るには株価の動きを分析する知識と経験や、時には勘も重要になってきますが、インカムゲインに比べて比較的大きな収入を得ることができます
インカムゲインとは配当金収入のこと
企業は出資をしてくれている株主に対して、利益の一部を配当金という方法で分配します。
この配当金収入のことをインカムゲインと言います。
株主は原則、剰余金配当請求権という権利を持っているので、企業が株主総会で配当金を出すことを決議すれば、その配当金を受け取ることができます。
勿論、利益が出なかったり業績が芳しくない場合は、株主総会の決議によって配当金が出ない場合もあります。
株式投資をするにあたってこのインカムゲインを重要視する場合は、その企業の過去の配当実績や業績などを調べたうえで出資することが重要です。
インカムゲインは利益の出ている企業であれば保有しているだけで安定的に得ることができますが、キャピタルゲインに比べて比較的少額です
株式投資の始め方
証券会社に口座を開設する
株式を売買するには、まず証券会社に口座を開く必要があります。
今はネット証券と言われる、店舗を持たずにネット上で取引をする証券会社が人気です。
口座開設をしたら投資資金を入金し、その資金を使って株式や投資信託などの商品を購入します。
商品を選ぶ
投資の目的によって購入する商品が違ってきます。
店舗をもつ証券会社であれば担当者に相談することができますが、ネット証券の場合は基本的に担当者がいないので自分で判断することになります。
株式投資には大きく分けて個別株と投資信託の2種類があります
個別株(上場株式)
上場企業がそれぞれ発行している株式を購入する方法です。
その選び方は、大きく分けて企業の経営成績や財務状態など(ファンダメンタル)を分析する方法と、チャートと呼ばれる値動きをグラフ化した資料を使って分析する方法があります。
しかし、どちらも初心者が簡単に分析できるものではないので、初心者に個別株はお勧めしません。
それでも個別株を購入するのであれば、最初はインターネットなどで専門家が勧めている銘柄で、会社名などを聞いて自分がこれと思った企業の株を購入すればいいと思います。
また、上場株式は最低100株からしか購入できないので、自分の投資資金と照らし合わせると対象株式が絞られてくるはずです。
ファンダメンタルやチャート分析は勉強しながら経験を積んで徐々に知識を身につければいいのです。
投資信託
投資信託とは、たくさんの投資家から資金を集め、その資金をひとつにまとめて運用会社やファンドマネージャーが株式や債券などに投資・運用して成果を投資家に分配する商品のことです。
その投資信託の中でも、特に初心者にお勧めなのはインデックスファンドと呼ばれるものです。
インデックスとは市場の値動き示す特定の指数のことで、代表的なものは日本の「日経平均」やアメリカの「S&P500」などです。
そのインデックス(指数)に連動するように設計された投資信託のことをインデックスファンドと言います。
つまり、その特定の指数が上昇すれば値上がりし、下落すれば値下がりします。
例えば、日経平均に連動するインデックスファンドに投資すると、投資家から集められた資金は日経平均株価を構成する225社の株式に分散投資されます。
従って日経平均株価に連動して運用成績が変動するのです。
また、自分で個別株を購入しようとしてもどこの株を買えばいいのか迷ってしまいますが、インデックファンドの投資すれば様々な企業の株式に分散投資されるので、迷う必要がありません。
最初はインデックスファンドをお勧めします
なお、私が初心者に特にお勧めするインデックスファンドは次の3商品です。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim 先進国株式
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | eMAXIS Slim 先進国株式 | |
---|---|---|---|
投信会社 | 三菱UFJ国際投信 | 三菱UFJ国際投信 | 三菱UFJ国際投信 |
純資産総額 | 18,337.48億円 | 9,152.30億円 | 4,135.02億円 |
基準価格 | 19,448円 | 17,325円 | 20,629円 |
経費率 | 0.0968% | 0.1144% | 0.1023% |
リターン(1年) | 2.75% | 2.61% | 3.53% |
勿論、将来の株式相場がどうなるかは誰にもわかりませんが、どのファンドに投資しようか迷っているなら過去の実績などから判断してこの3つの中から選んでおけば間違いはないでしょう。
中長期間に渡ってコツコツと運用する場合は投資信託がお勧めですが、短期でキャピタルゲインを狙うのなら値上がりしそうな個別株を購入する必要があります。
注文を出す
投資商品が決まったら注文を出します。
投資信託の場合は、1日1回算出される基準価格で購入することになるので、希望数量(口数)だけを指定します。
個別株(上場株式)の市場価格は市場が開いている時間は常に変動しており、希望株数と希望価格の両方を指定して注文することになります。
そして、希望価格の指定方法には主に指値注文と成行注文の2種類があります。
指値注文
購入もしくは売却を希望する価格(指値という)で注文を出す方法です。
購入する場合は、指値より高い価格で購入することはありませんが、指値以下の注文が入らなければ取引は成立しません。
売却する場合は、指値より低い価格で売却することはありませんが、指値以上の注文が入らなければ取引は成立しません。
必ず注文が成立する訳ではないのが指値注文のデメリットです
成行注文
価格を指定せずに注文を出す方法です。
成行注文はその時の市場価格で取引が行われ、指値注文より優先されるので売買が成立しやすいというメリットがあります。
また、必ず取引が成立するので、初心者やこのタイミングで絶対に取引を成立させたいと思っている人にはお勧めです。
価格を指定しないので、思っていた価格よりも高い金額で購入してしまう可能性があるのがデメリットです
ネット証券にはメリット・デメリットがある
今、人気のネット証券ですが、口座開設をするにあたってはメリット・デメリットを理解することが大切です。
メリット
- パソコンやスマホで簡単に口座開設ができる
- ネット環境があればどこでも取引ができる
- 各種手数料が安い
- 煩わし営業活動がないので自分のペースで投資ができる
自分の判断で、自分のペースで投資を行いたい人にはお勧めです。
口座開設も手続きが簡単で時間も掛からないし、何と言ってもコストが安いのが最大の魅力です。
少額から始める初心者にはネット証券がお勧めです
デメリット
- 営業マンや窓口での相談やアドバイスを受けることができない
- ネットによる取引のため、情報漏洩のリスクがある
- ネットワークトラブルや証券会社のサーバーダウンによるタイミングの喪失
それなりの大きな金額で投資を行う人などは、プロである担当者のアドバイスも重要なのでネット証券は不向きかもしれません。
ネット証券は手軽ですが基本的に全てが自己責任なので、大きな投資を行う場合などはリスクヘッジの観点からも店舗をもつ大手証券会社を選ぶのも選択肢のひとつです
人気のネット証券4選
ここでは人気のネット証券4社を簡単に紹介します。
楽天証券
引用元:楽天証券 公式サイト
- 楽天カード決済におよる投信積立でポイントバック
- 楽天ポイントを投資に使うことができる
- 楽天銀行との連携で普通預金の金利を優遇
- 商品ラインナップが豊富
楽天証券の最大の特徴は、楽天ポイントが貯まったり、持っているポイントを投資に使うことができることです。
また、楽天銀行と連携させることで普通預金の金利が優遇されるなど、普段から楽天経済圏を利用している人には大きなメリットがあります。
また、商品ラインナップが豊富なのも人気の理由のひとつです。
SBI証券
引用元:SBI証券 公式サイト
- 豊富な商品ラインナップはネット証券トップクラス
- 1日の取引金額にかかる手数料が主要ネット証券最安値
- 25歳以下なら国内株式の現物取引手数料が無料
- 手数料の1.1%分のT-POINT、Pontaポイント、d-POINT、JALマイルが貯まる
- T-POINT、Pontaポイントを1ポイント1円として投資信託の買付に使うことができる
- 三井住友カードを使うと0.5%のVポイントが付与される
楽天証券と人気を二分するのがSBI証券です。
何と言っても商品ラインナップがネット証券トップクラスで、各種ポイントカードを利用できるところも人気です。
また、25歳以下は国内株式の現物取引手数料が無料であるなど、手数料が全般的に安く設定されているのも大きな特徴です。
これから投資を始めようという人には特にお勧めのネット証券です。
松井証券
引用元:松井証券 公式サイト
- オリコン顧客満足度初心者部門第1位
- 日本のネット証券の先駆け
- シンプルで分かりやすい手数料体系
- 25歳以下なら国内株式の現物取引手数料が無料
- サポート体制が充実しているので初心者にも安心
日本で最初に本格的なネット証券を始めた松井証券。
特徴は何と言ってもサポート体制の充実です。
ネット証券は通常は担当者がいないので、全て自分で決めなければならず、初心者には不安がつきまとうのですが、松井証券はコールセンターによるサポートが充実しており初心者にも安心のネット証券です。
投資を始めるにあたって不安がある人には特にお勧めのネット証券です。
マネックス証券
引用元:マネックス証券 公式サイト
- マネックスカードを使った投信つみたて決済のポイント還元率が1.1%とネット証券最大
- 米国株式のラインナップが充実
- 米国株も1株から購入できる
- 1株から買えるワン株(単元未満株)の買付手数料が無料
米国株のラインナップが充実しているマネック証券。
また、マネックスカードを使って投信つみたてを行うとポイント還元率が1.1%とネット証券最大であったり、1株から買えるワン株の買付手数料が無料など、独自のサービスが人気です。
投資対象として米国株式を考えている人にはお勧めしたいネット証券です。
株式投資のメリット・デメリットを理解する
株式投資を始めるにあたってメリット・デメリットを理解しておくことが大切です。
メリット
- 配当金(インカムゲイン)を受け取ることができる
- 株主優待を受け取ることができる
- 売却することによって売却益(キャピタルゲイン)を得ることができる
株式は売買をしなくても保有しているだけで配当金や株主優待を手に入れることができます。
これは毎月の収入のプラスアルファと考えると、とても大きなメリットです。
さらに株価の読みが当たればキャピタルゲインも狙うことができるので、初心者からベテランまで幅広い投資家にとって魅力的な投資商品と言えます。
デメリット
- 元本保証がない
- 投資先企業が倒産することもある
- 株取引の最低単位が100株なので、投資金額が比較的高い
株式投資に限らず、ほとんどの投資商品は元本保証がありません。
つまり、個別株を購入した企業が倒産した場合、最悪なら投資資金の全額が戻ってこないケースもあります。
また、上場株式は100株からしか購入できないので、それなりの資金が必要になります。
その点、投資信託は少額から購入可能なので、特に初心者にはお勧めです。
元本保証がないということは必ず頭に入れておいて下さい
まとめ
- 最初は個別株ではなく投資信託から始める
- 人気のインデックスファンドから選ぶ
- 長期分散投資
- 元本保証がない
株式は投資の代表格と言えるでしょう。
特に株式投資と聞いて思い浮かべるのが、売却益(キャピタルゲイン)ではないでしょうか?
チャートなどを見ながら比較的株価の安い銘柄を購入し、高くなったら売却して利益を得ることをイメージされている方も多いと思います。
しかし、どんな投資でも同じですが、最初から安定して利益を出せるほど簡単なものではありません。
ましてや、初心者が将来の株価の動向や売買のタイミングを予測することは無理だと思っておくべきです。
そこで、最初は個別株ではなく投資信託、しかも人気のインデックスファンドをお勧めします。
もし個別株を購入するのであれば、できるだけリスクを減らすために複数社に分散して購入して下さい。
また、特に初心者のうちは焦って短期間で儲けようとせず、ある程度の期間は保有するつもりで購入して下さい。
是非、投資の基本である長期分散投資を実行して下さい。
最後までお読みいただき有難うございました。
投資の最終判断は自己責任でお願い致します
コメント