ビットコインに投資をしている人はマイニングという言葉を聞いたことがあるかもしれません。
直訳すると「採掘」という意味です。
金やダイヤモンドなどを掘り出すことを採掘と言いますが、ビットコインにおける採掘とはどういう意味でしょうか?
この記事では、マイニングの意味とビットコインに与える影響について解説します。
最後まで読んでいただくと、ビットコインにとってマイニングが必要不可欠だということがわかります。
ビットコインに投資をするためには必ず知っておかなければいけないマイニングについて見ていきましょう。
ビットコインとは

始まりと歴史
ビットコインとは、2008年にサトシ・ナカモトを名乗る人物が発表した論文が始まりです。
その論文に書かれていた中央管理者の存在しない分散管理型の暗号資産という新しい概念をもとに、2009年には世界で初めてビットコインによる取引が行われました。
暗号資産とはインターネット上に存在する財産的価値の総称であり、実際に貨幣が存在する訳ではありません。
特徴

大きな特徴として次の4つが挙げられます
- 中央銀行のような管理者が存在しない
- ブロックチェーンによる分散管理
- 発行枚数の上限が決まっている
- マイニングによる取引の承認と報酬としてのビットコインの発行
マイニングとビットコインの発行


マイニングとは
ビットコインは発行上限枚数が2,100万枚とプログラムで設定されており、これが変わることはありません。
既に9割近くが発行されてますが、全てが発行されるのは2140年頃だと推測されています。
また、ビットコインはブロックチェーンという仕組みで管理されています。
ブロックチェーンとは、一定期間の取引を暗号化して保存したブロックがチェーンのように繋がっていることからこのように呼ばれています。
この暗号化された取引情報を含んだブロックを生成し、その取引情報が正しいかを検証して承認することを「マイニング」といいます。
なぜマイニングが必要なのか
特徴でも取り上げた通り、ビットコインには中央銀行のような管理者が存在しません。
従って誰かが管理者に代わって不正な取引が行われていないかを検証する必要があります。
暗号化された取引データはトランザクションと呼ばれ、ブロックに書き込まれていきます。
そのトランザクションを検証し承認(マイニング)することによってブロックが生成され、取引の信頼性を担保しています。
このように、ビットコインの取引において、マイニングは必要不可欠なのです。
また、このブロックは過去からずっとチェーンのように繋がっており、改ざんが極めて困難な仕組みとなっています。





全てのブロックが繋がっているので、一部分を改ざんするとその整合性が取れなくなります
マイニング報酬とビットコインの新規発行


マイニングを行なっている人達は「マイナー」と呼ばれています。
そして、一番最初に承認を行なったマイナーに報酬としてビットコインが与えられます。



ここでビットコインが新規発行されるのです
この報酬としての新規発行は、発行枚数が上限の2,100万枚に達するまで行われます。
現在のところ、上限に達するのは2140年だと言われています。
ちなみに、マイニング報酬はビットコインの取引が始まった当初は50BTCでしたが、4年毎に訪れる半減期のたびに半額となり、過去3回の半減期を経た現在では6.25BTCとなっています。
次回の半減期は2024年と言われいますが、その時には報酬額は3.125BTCになると予想されます。
マイニングの種類


ソロマイニング
一人で行うことをソロマイニングと言います。
一人なので報酬は全て自分の収入となり、仲介者への手数料も発生しません。
その代わり、マイニングに必要な設備投資や高度な知識が必要なため、ハードルは高いと言えます。



ハイリスクハイリターンと言えるかもしれません
クラウドマイニング
マイニングを行なっている企業などの団体に出資をして、マイニング報酬の一部を配当として受け取る方法です。
自分では作業をしないので、設備投資や知識などは必要ありません。
しかし、出資先が倒産したり資金を持ち逃げする可能性があるので、出資先をしっかりと見極める必要があります。
プールマイニング
一人ではなくグループで行う方法です。
複数でマイニングを行うのでソロマイニングに比べて報酬を得やすくなり安定しますが、報酬を分配するので一人当たりの収益は低くなります。
また、一定の手数料が掛かることになります。



ローリスクローリターンと言えるでしょうか
マイニングの今後


今後のマイニング報酬
少なくとも今後100年以上はマイニングの報酬としてビットコインが発行されることになります。
そして、4年毎に訪れる半減期によってその報酬額が半減していきます。
つまり、マイナーに支払われる報酬は減少していくことになるので、マイナーにとっては厳しい環境になることが予想されます。
しかし、今後ビットコインの新規発行枚数が減少していくことによって、その価値が今以上に上昇する可能性もあります。
報酬額が減少しても、それを補うだけの価値の上昇があればマイナーの収入は十分確保されることになります。



今後のビットコインの価値次第では、マイニングは今以上に魅力的なビジネスになるかもしれません
トランザクション手数料
2,100万枚全てのビットコインが発行されるのは2140年だと言われています。
全てが発行されると、マイニング報酬はどうなるのでしょうか?
マイニング報酬は次の2つの要素で構成されています。
- 取引内容の整合性を検証・承認することによる報酬
- ユーザーが支払うトランザクション手数料(取引手数料)
発行枚数が2,100万枚に達すると、検証・承認による報酬はゼロになってしまいます。
しかし、ビットコインが存在する以上、マイニング作業は必要であり続けるので、もうひとつの報酬であるトランザクション手数料、いわゆる取引手数料だけがマイナーの収入になると考えられます。



将来のビットコインの市場規模やマイニングに掛かるコストによってもマイナーの収益は大きく変わってきます
まとめ
- 暗号化された取引情報を含んだブロックを生成し、その取引情報が正しいかを検証して承認することをマイニングと言う
- ビットコインは管理者が存在しないので、書き込まれた情報を第三者が承認することによって取引の信頼性を担保している
- 一番最初に承認(マイニング)を行なった人に報酬としてビットコインが与えられる
- 報酬額は、約4年毎に訪れる半減期と呼ばれるタイミングで半額になる
マイニングが行われることで取引の信頼性が担保されるので、ビットコインの取引が行われる以上、必要不可欠な作業と言えます。
マイニングは、半減期による報酬額の減少と高性能なコンピューターや大量の電気使用量により、これからは収益を上げることが難しくなるかもしれません。
しかし、それ以上にビットコインの価値が上昇すれば、今まで以上に魅力的なビジネスになる可能性も秘めています。
ビットコインに投資をするのであれば、たとえ自分自身がマイナーではなくても、新規発行の唯一の手段であり、半減期がその価格に大きな影響を与える要因のひとつであることを考えると、マイニングについては知っておくべきです。
今日も最後までお読みいただき有難うございました。



投資の最終判断は自己責任でお願い致します
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